2008年9月26日

ATP

時々,好きで読んでいる本があります.
われ思うゆえに思考実験あり』橋元淳一郎著(早川書房)

この本で一番面白いのは光合成の話.P56「植物のエネルギーは利用は,二重の意味で非合理」.その部分を自分なりにまとめました.以下の順番で植物はエネルギーを作り,そして利用しています.

(1) 太陽のエネルギーを受けて,電子のエネルギーを上げる.そのエネルギーから,ATPを作る.これを「明反応」という.

(2) ATPはエネルギーが高い(=不安定)状態.そのエネルギーを使って,炭酸ガス(CO2)を炭水化物(でんぷん)に変換する.これを「暗反応」という.

(3) でんぷんを使ってATPを作る in ミトコンドリア.このATPを植物の生命活動のエネルギーに使う.これを「呼吸」という.

何が「不合理」かというと,(2)と(3)は不要であること.(1)で作ったATPを生命活動のエネルギーに直接使えばいいのに,(2)で一度でんぷんを作って,それを(3)で再びATPにしてエネルギーにしているから.

この不合理についてに筆者は以下のように書いています.

植物も動物も,神様が設計した合目的的な存在ではない.試行錯誤と恣意的な進化の産物なのだ.だから,生命体は,きわめて効率的な部分がある一方で,矛盾にみちた存在でもあるのだ.
(引用終わり)

「最小値ではなくて極小値」.私はそんなイメージで捉えています.植物がでんぷんを作ってくれているお陰で,我々は美味しいご飯を食べれているわけですが.(関係ないですが,アメリカでも美味しいお米が食べられます.本当にありがたいのです.)

ATP(アデノシン三リン酸)とは生体内の電池のようなもの.なるほど,三リン酸 ⇔二リン酸 のやり取りがエネルギーのやり取りに対応しているのですね.やり取りの化学式も意外と簡単.

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著者は高校物理の参考書を書いている人です.自分もずいぶんお世話になりました.『橋元流解法の大原則1・2』はいい本でした.結局,物理学科を選択したのもこの参考書のお陰です.まだ売っているみたいですね.

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