『シリコンバレー精神』梅田望夫(筑摩書房)という本が好きです.昨日(June 27, 2008)にMicroSoftのBill Gates会長が引退するというニュースを見て,また読んでしまいました.このエッセイ集にはMicroSoft と シリコンバレー企業 の違い(戦い)も書かれています.
この本はシリコンバレーについて,梅田さんが書いたエッセイ集(1995-2001年).シリコンバレーの基本を体感する(一章)から始まり,ネット革命とバブル崩壊(二章),マイクロソフトとリナックス(三章),シリコンバレーは私をどう変えていったか(四章).多彩です.シリコンバレーのエネルギーを読者にアピールしたい気持ちが伝わってきます.著者は本当にここが好きなんだな,と.
シリコンバレーの中でどういう風にお金が動いていて,経営者やエンジニアが何を考えているのか知ることができます.
この本で私が一番面白いと思う部分にしぼって感想を書きます.それは273ページからの「文庫のための長いあとがき」です.このあとがきでは過去の話(1996-2001年)を著者の2006年の視点から振り返っています.
あとがきの主役はGoogle.梅田さんは「Google大好き」ですよね.他の著書を読んでもそう感じます.実はエッセイの中にはGoogleは一回しか出てきません.その間,Googleが水面下で何をやっていたのかということを書いています.Googleの成長を助ける空気がシリコンバレーにあるということをアピールしています.
マイクロソフトを置いてきぼりにしたGoogle.Bill Gatesも失敗を認めるコメントをしていました.(どこで読んだのか忘れた.)しかし,おそらく筆者が一番言いたいことはGoogleそのものではなく,287ページに書いてある以下の言葉.
(以下引用)
このことから私たちは何を感じ取ればいいのだろうか.
「Web2.0」時代の到来に狂奔する人々が多い今,「Web3.0」時代を切り拓くであろう「いずれ次のグーグルになる若者たち」が必ずどこかに居て,他の人たちとは全く違うことを考えているに違いない,という想像力に結びつけるべきなのだ.
(引用終わり)
次のグーグルがシリコンバレーで産まれるかどうか何も言えないですよね.過去の経験(HP, Intel, Apple, Yahoo!.........)と,シリコンバレーでベンチャーが産まれやすい仕組み( 291ページ)から考えると,何か納得してしまう気もしますが…….
さてこの本の題名である『シリコンバレー精神』を著者は次のように定義しています.
(以下引用)
限られた情報と限られた能力で,限られた時間内に拙いながらも何かを判断しつづけ,その判断に基づいてリスクをとって行動する.行動することで新しい情報が生まれる.行動する者同士でそれらの情報が連鎖し,未来が創造される.行動する者がいなけれ生まれなかったはずの未来がである.未来志向の行動の連鎖を引き起こす核となる精神.それが「シリコンバレー精神」である.
(引用終わり)
いい言葉ですね.いま出向している会社の上層部の考え方もこうなのでしょう.彼らの「判断」と「行動」は本当に速い! 私はこの考え方をいただいて日本に帰りたい.せっかく,シリコンバレーで仕事ができる環境にいるのだから.日本人はこういう考え方苦手だからこそ,なおさら将来に活きるはず.
もっと書きたいことはあるのですが,これくらいにしておきます.いっぱい書いて疲れました.